記者クラブでのハリルホジッチ会見を全部見ました。時間オーバーはハリルホジッチの得意技ですが、最後の最後も伸びましたね。あの会見で言いたかったことや解任の真相とサッカー協会の体質について個人的に書いてみました。

僕は小学生にサッカーを指導していますが、小学生がサッカーをやっていると言うと、「サッカーを習っているですか?」と聞かれるようです。サッカーは習うものではないので、「やっている」と答えるようアドバイスしています。

この時点で、日本でのサッカーの立ち位置がよく分かるように思いますね。
代表チームに外国人監督を呼んで「サッカーの勝ち方」を習うことが日本の風習だった訳です。

サッカーの先生を呼ぶ訳ですから、ある程度のトラブルがあっても先生を変えるということはありません。

ハリルホジッチの解任は日本サッカー(選手と協会)の陰湿さに原因が

日本サッカー協会の田嶋会長は、ハリルホジッチの解任理由に監督と選手の関係が悪くなっていると答えていましたね。

ハリルホジッチから協会に対して数名の選手が謀反を起こしている、協会として何とかしてくれ!という話があった訳でないのなら、なぜ関係が悪くなっていると言い切れるのか。

選手側からのリーク、ハリルホジッチに対するチクリを協会側が受け止めたからとしか考えようがないです。

つまり、選手のリークで日本サッカー協会が動いたと答えた訳です。

ここが陰湿ですね。ハリルホジッチ会見では暴露されませんでしたが、日本サッカー協会をサポートしているスポンサーの意見を無視できなくなったことがハリルホジッチ解任の真相では?と言う意見のある中で、ハリルホジッチ解任理由を監督と選手の関係にすり替えたのでは?僕はそう思います。

欧州遠征で2敗したことが理由とも伝えられていて、戦力の低下も原因のひとつと会長は言っていましたが、前置きで言っていた「ワールドカップ予選を突破して本大会出場を決めてくれて感謝している」という部分と重みが全然違うだろうと言いたくなりますね。

ワールドカップ本大会出場を決めた監督が降ろされる理由が、親善試合の2敗と選手との不調和とはどう考えても理不尽です。

ハリルホジッチでなくとも泣きたくなりますね。

選手側の陰湿さ、協会側の陰湿さの尻ぬぐいをハリルホジッチ解任で決着をつけた。僕はこう考えています。

サッカー協会会長の田嶋幸三氏と川淵三郎氏を比較

サッカー協会会長はたびたび代わっていますが、渦中の第14代田嶋幸三会長と第10第会長の川淵三郎氏を比較してみます。

川淵三郎だったらスポンサー側とハリルホジッチの両者に対して話をするという度量もあったと思います。

場合によっては、ハリルホジッチのサッカーのやり方や行動について言及することもあったかも知れません。

田嶋幸三会長は成績優秀で浦和南高校で高校サッカー優勝し日本サッカーのホープでした。しかし、サッカーという国際スポーツに対して必要なカリスマ性には乏しいようですね。

川淵三郎がチェアマンにならなかったらJリーグは誕生しなかったし、Jリーグが誕生しなかったらワールドカップ連続6大会出場も出来なかったでしょう。

田嶋会長はJFAアカデミー初代好調など、どちらかというと育成関係をずっと歩んで来たように思います。

サッカー協会の会長となるには外部との交渉、海外との交渉の矢面に立つ必要がありますが、そのための英才教育は受けていなかったのでしょうか。

一方の川淵三郎氏は現役引退後はビジネスマンとしての手腕を発揮する他、異業種との交流も盛んで、外部から学んだことをサッカー界に活かすという人生を歩んでいるように思えます。

「オシムって言っちゃたよ」とオシム氏を監督にするためのシナリオも会長自らの脱線という形で責任をとろうとする様子に器の違いを感じざるを得ませんね。

ラモスやカズの時代にも監督との揉め事はあった

古い話ですが、オフト監督の時代はオフトがラモスやカズと激突し、柱谷が仲裁に入るという事件がありました。

オフトになんか習わなくたって自分のサッカーで勝てる!というラモスやカズに対して、オフトは中盤の底に「森保一」を抜擢して、攻撃サッカーは得意だけれど守備が弱い日本のサッカーの改良に乗り出したわけです。

その森保一が今や代表の監督候補に名乗りを上げるまでに成長しました。世界に向けての指導者ブランドを気づいた男のひとりです。

オフトの時代には、ラモスやカズはまず目の前の監督に食って掛かるということをして、自分たちの考え方を伝えました。

それに比べて今回の事件はどうでしょうか。ハリルホジッチに不満がある選手が協会に直接話をしたのか、協会が不満を吸い上げようと選手にアプローチしたのかわかりませんが、水面下で行わていたことは事実でしょう。

メールでのやりとりかも知れませんが、ハリルホジッチ監督と直接やりとりをして埒が明かないから協会側に意見するということ、協会側もその意見を受け入れるということについて僕はとても疑問を持ちます。

選手は、サッカーについての不満は監督にぶつけ続ければいいんです。監督を説得することも選手の力量ですから。

本田圭佑がハリルホジッチと長時間議論したと報道されていますが、その姿を貫き続けることが選手の役割だと思います。

サッカー協会に直訴した2人の選手について話題になっていますが、本田はその中に入っていないと思います。

今回、2018 ロシアワールドカップに絶対に選考されたいと願っている選手のうち、過去の2010 南アフリカワールドカップ、2014 ブラジルワールドカップ
の選考で苦い経験をしたベテランがいるはずです。

ベンチに入ったけど出場出来なかったとかポジションを奪われたという選手です。
それらのベテランの中で、今回のロシアワールドカップが最後のチャンスと思って海外で頑張っている選手がいます。

10年以上に渡って日本代表に顔を出しているから協会に発言力がある。というのはどうでしょうか、それは選手が監督を値踏みしていいという話になりませんか。

自分が所属するチームでは監督の顔色を伺っていて、ストレスがたまっているはずですね。クラブチームは代表チームではないので、監督やサポーターの考えがチーム作りにダイレクトに反映されます。

マスコミが書かないハリルホジッチの良さ

僕はハリルホジッチが好きです。今でも好きです。日本サッカーに足りないものを見つけて付け足してくれました。

それは、パスをつなぐポゼッションサッカーが得意な日本サッカーはいつもいつも「決定力不足www」と嘆いていました。

決定力不足なら、シュート数を増やせばいい!シュート数を増やすためにはボールを縦に運べばいい!ボールを縦に運ぶためにはスピードが必要だ、速く走ること、何度も走ること、90分走り続けることが必要だ。

ボールを持てば敵が奪いに来るので1対1で負けてはいけないということでデュエルという1対1の戦いの必要性を強く根付かせたのもハリルホジッチです。

体脂肪率の管理にも徹底していましたね。

日本はワールドカップに連続出場していることでワールドカップというものに慢心があるのではないか、出場する選手たちにも危機感が足りないのではないか。

そのような心の贅肉も取り去ろうとしていたのかも知れません。

何と言っても6大会連続出場は日本の他にブラジルとイングランドというサッカー大国だけです。

あのドイツもスペインもフランスもイタリアも本大会出場には必死になっているわけです。ましてや代表チームに入るためにはどんな努力をしているかというと想像出来ないですね。

さて、西野新監督がもしポゼッションサッカーに戻った時、ボールは持てるけれど決定力が不足していると評価されるようなら、ハリルホジッチ前監督の見立てが正しかったということになるのでしょうか。

今後の行方を見守りましょう。