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ジュニアサッカー 練習メニュー200の特徴と使い方について

書籍

ジュニアサッカーの指導教本はいろいろありますが「ジュニアサッカー 練習メニュー200」は元JFAアカデミーの島田信幸氏が監修しているということで、日本におけるジュニアサッカーを取り巻く環境を踏まえて編集されています。

U12選手権、トレセン活動、ナショナルトレセン、JFAアカデミーなど日本サッカー協会が関わる育成の基準が集められていると言えます。

ジュニアサッカー 練習メニュー200の構成について

正式名称は「考える力を伸ばす! ジュニアサッカー練習メニュー200」、池田書店のスポーツ練習メニューシリーズです。2008年に出版されました。

その後2009年に「考える力を身につける サッカー練習メニュー100-戦術の基本と応用」 (池田書店のスポーツ練習メニューシリーズ)が出版されました。

練習メニュー200はジュニアサッカー用ですが、練習メニュー100はジュニアユースからユース、つまり中学校以上を対象にしています。

□本の構成について
以下のような構成になっています。

第1章 基本テクニック
第2章 楽しくウォーミングアップ
第3章 コーディネーション
第4章 ベーシックトレーニング
第5章 ストレッチ&ステップ
第6章 ミニゲーム
第7章 スキルアップトレーニング
第8章 応用テクニック

この本の素晴らしいところは、チームの練習メニューを組む時のサンプルがついていることです。
学年別、攻撃、守備などのテーマ毎に本に収録されているメニューを組み合わせることが出来ます。

1日のメニューとして75分~90分の練習時間に収まるように組まれているので、初心者コーチや新チームを作った時など、大変参考になります。

僕はC級コーチですが、D級やC級の講習会でも取り上げられるテーマ毎にまとめられているので、これから指導者ライセンスを取りたいというお父さんコーチにも参考になります。

詳しくは本を読んでいただくとして、指導者としてこの本を活用する上でのポイントをまとめてみます。

第1章 基本テクニック

キック、コントロール、ドリブル、ボールキープ、ターン、ヘディング、守備の姿勢などがわかりやすい写真で解説されています。
動画で学ぶこともよいですが、静止画像だとポイントが明確になるのでわかりやすいです。

インステップキックの軸足踏み込みの時に、前方から見て足裏が見えるようなフォームがお手本です。

これらは、ライセンス指導教本にもある基本技術です。基本技術の呼び方をチームで統一する際にも参考になります。

僕たち年代が「トラップ」というスキルは現代では「コントロール」です。ナイストラップは、ナイスコントロールです。

第2章 楽しくウォーミングアップ

現代のジュニアサッカーには、遊びの要素を取り入れたウォーミングアップが少ないように感じます。
ジュニアサッカーでもブラジル体操を取り入れるチームが多いですが、試合会場に行くとどのチームもブラジル体操を行っていて、ブラジル体操の出来栄えを競争しているように感じます。

楽しみながら試合をするというテーマなのにウォーミングアップで楽しめなければ意味がありません。

鬼ごっこを始めとしたウォーミングアップメニューはいずれもゲーム要素があります。体だけでなく頭を使いますし、声を出しあうという要素もあるので、心のウォーミングアップにもなります。ぜひ参考にしたいメニューです。

第3章 コーディネーション

ジュニアサッカー年代である小学生はゴールデン・エイジと呼ばれています。スキルの習得が素早く短時間で出来るということから、このタイミングを逃さないように指導しようというのがサッカー協会の考え方です。

サッカーのスキルをいきなり教えるのではなく、体を思い通りに動かすことが出来るようにすることがこのコーディネーショントレーニングの目的です。

ボールを扱う以前に、ボールを扱える体の動き作りをすることや、相手、味方、ボールという複数の要素を見て判断するという能力の下地を作ることが大切です。

基本技術の習得とともに継続して行いたいトレーニングです。

第4章 ベーシックトレーニング

この本のメインがこのベーシックトレーニングです。チーム練習として複数の選手で行うメニューがたくさんあります。

第1章から第3章までのメニューを組み合わせたトレーニングメニューですが、後半になると判断という要素が入ってきます。
ボディコンタクトなどの対人プレーを含むメニューや、ゴールを使ったシュート練習もこのベーシックトレーニングに含まれています。

前の方のメニューから順を追って進めることでトレーニング効果が期待出来ます。

第5章 ストレッチ&ステップ

ストレッチは体の柔軟性をアップさせるので、スキル上達には欠かせないトレーニングです。さらに、ストレッチと合わせてフィジカル能力を高めることでさらに能力がアップします。

ユニークなのは、少年期にはフィジカルトレーニングは必要ないとしながらもストレッチメニューにはよく見られる体幹トレーニングが紹介されています。

さらにラダートレーニングでステップワークのトレーニングしているチームも多いと思いますが、ここでは基本となるステップワークが紹介されています。ブラジル体操に含まれるステップもありますが、意外にステップワークを正確に行っていない選手もいます。基本を抑えておきましょう。

第6章 ミニゲーム

ゲームを行うことでサッカーは上達します。フルコートフルメンバーではない4対4というミニゲームから得られるものはとても多いものです。それは試合の1部分を切り取ったものだからです。

ミニゲームは点を奪うことだけに執着するのではなく、味方、相手、スペース、ゴールを意識して判断を伴ったプレーが出来るようになることが大切です。

さらに、ミニゲームは大変はげしい動きを伴いますので、ミニゲームを通して持久力を養うことが可能です。スタミナ不足に悩むチームはぜひ参考にしてください。

第7章 スキルアップトレーニング

第4章 ベーシックトレーニングで紹介されている内容をさらにレベルアップしたトレーニングです。
個人スキルのレベルアップからチームレベルのスキルアップを目的にしています。

個人スキルではダイビングヘッドも含んでいます。チーム練習としてはコンビネーショントレーニングを含んでいます。
コンビネーショントレーニングはゆっくりと理解しながら進めることが大事です。チームや選手たちの能力や個性に合わせてメニューを選択してトレーニングするとよいでしょう。

第8章 応用テクニック

この章では、フェイントの種類がいくつか紹介されています。また、スローインの投げ方もここに含まれています。

ゴールキーパーのメニューとしては2ページです。この本のコンセプトとしてはジュニアサッカーではゴールキーパーとしての専門性を求めていないからです。ゴールキーパーの専門性が求められる年代はジュニアユース、つまり中学生年代からです。

「サッカー練習メニュー100」でもゴールキーパーメニューは2ページしかありません。

ゴールキーパートレーニングは専門性が高いので、サッカー守備ディフェンス&ゴールキーパー練習メニュー100 (池田書店のスポーツ練習メニューシリーズ)としてまとめられています。

チームを指導する上では揃えたい図書です。

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