ナボコーチです。ボールリフティングが出来ない子の練習方法について書きます。
最近、小学3年生以下の練習を担当することが多くなりました。
リフティングが出来ないので悩むお父さんお母さんが多く、本人たちはあまり悩んでいない様子です。
親がなんでリフティングの回数にこだわるかとうと、リフティング回数の多い少ないでスタメンを決めるからです。
また、トレセン推薦などもリフティング回数で決めたりします。
ボールリフティング回数で選手の良し悪しが決まるのか?
僕はリフティング回数を選手選考に使うことには反対はしません。
もちろん、リフティング回数が多ければよい選手だとはウチのコーチたちは誰も思っていません。
逆によい選手はリフティングの50回や100回くらいは遊びながら出来るようになるという考え方です。
でも、リフティングが出来ない選手は実際にいます。
出来るようになれば、急に回数が伸びるのですが、10回とか20回出来ない時には出来ない理由があります。
ボールリフティングが出来ない理由とは
ここで言う「リフティングが出来ない」選手、子供たちとは、回数が10回以下の選手を指しています。頑張って10回出来るという場合は、11回目のボールは蹴れる範囲に蹴れなかったということですね。リフティングが出来ない理由とは1回目、2回目が上手く蹴れないという事なんです。
小学3年生以下について言えば、1年生の場合は足首の力が弱く、ボールを真上に蹴ることが出来ないという理由があります。
小学2年生でも足首の力が弱ければボールを蹴ることが出来ないでしょう。
そして、リフティングとは片足立ちでボールを蹴ることなので、片足立ちが出来ないとグラグラしてボールを蹴ってもアッチコッチに飛んでしまいます。
それを追っているうちに嫌になってしまう。リフティング嫌いあるあるです。
足首の力もあり、体もガッチリしているけどリフティング出来ない子もいます。
そんな子のリフティングを見ると、ボールを高く上げすぎてしまいます。
ポーンと蹴り上げ、頭よりも高くなってしまうので、落ちてくるボールをまたリフティングすることは至難の業です。
そのような子は、力をセーブ、コントロール、加減が出来ないのです。
足首を真っ直ぐ固定する必要はないのですが、ボールを蹴るためにはある角度で固定できなければなりません。
ガチガチに固定するのではなく、ボールが思った高さに上がるくらいの強さです。
これを体得するのがリフティングのコツのひとつです。
ボールを足のどこに当てるのか?
ここで言うリフティングとは「インステップを使ったリフティング」です。
リフティングをやっている子供たちに、ボールを足のどこに当てているかと聞くとけっこうバラバラだったりします。
「人差し指で足のどこに当てているのか教えて」
と聞くと、つま先だったり、靴紐の部分だったり、左右にずれていたりします。
足のつま先だと指でボールを蹴ることになるので、ボールを蹴る時に負けてしまいます。
しかし、小学4年生くらいになると、足指の力もついてつま先でも蹴れるようになります。
チョンチョンリフティングというリフティング方法がありますが、あれです。
そうなるまでは(指の力がつくまでは)足の甲と足指の付け根を結んだ線で蹴るようにします。
足の甲の真ん中や足首に近いところで蹴ると、しっかりボールを蹴ることが出来るのですが、ボールを真上に蹴ることは難しくなります。
足が小さいので、足の甲で蹴って真上に蹴るためには、つま先を伸ばして足をピーンと伸ばすリフティングになります。
僕は「ロボットリフティング」と呼んでいます。このロボットリフティングは股関節を支点にして足を上げ下げするので、足の動きが大きすぎるのと、動きが大きいせいで疲れやすくなります。
小学1、2年生でリフティングが上手な子を見るとこのロボットリフティングのような形が多いですね。
一生懸命足を伸ばしてしている様子は微笑ましいのですが、3年生、4年生になってもずっと同じリフティングでは成長しません。
ヒザから下の動きでリフティングを続けるように出来るためには、足指の付け根と足の甲を結んだ線で蹴りましょう。
ボールの高さはどのくらいがベスト?
リフティングの高さはどれくらいがいいのでしょうか?
ロボットリフティングだと自分の顔くらいまでボールが上がります。
これはちょっと高すぎです。
高くてもヘソから胸の間にしましょう。
逆に低すぎてもやりずらくなります。頭が下がってしまい、下を見るようになるので、ボールに隠れて自分の足が見えません。
チョンチョンリフティングはヒザくらいの高さで続けることが出来ますが、通常のインステップリフティングはインパクト感というかボールをミートしている感覚が重要です。
ボールを蹴って、足応え(手応えの足バージョン)の感覚がある高さで、力をコントロールしながら高さをコントロールしている感覚を身につけることが大切です。
ボールリフティングが出来るようになるためのステップアップ練習方法
10回出来ない場合は次の練習方法で始めてください。
・ボールを手で持って、ボールを軽く放り、インステップで真上に蹴る
・蹴ったボールは手でキャッチ。らくらくキャッチ出来る位置が理想
・これを繰り返す
・持って、蹴ってをノーミスで10回成功するまでやる。
・得意な足でとにかくやってみる
この練習のポイントは次の通りです。
・ボールを真っ直ぐ上に蹴ること
・真っ直ぐ上がればキャッチしやすい
・真っ直ぐ上がれば連続したリフティングも容易
・ボールを回転させる必要はないが、無回転にする必要もない。自然に
・蹴り足のつま先をしゃくらない。つま先で蹴り上げず、足に当てて蹴り上げる
・落ちてくるボールの下に足を出す感覚
・同じ高さになるようにする
・足の同じ場所に当てること
・ボールが左右にブレても手でキャッチできていればよい
持ってキャッチリフティングが10回ノーミスで出来るようになったら、20回ノーミスを目指します。
30回ノーミスで出来るようになったら、次のステップです。
ワンバウンドリフティングをやってみる
ワンバウントリフティングに挑戦です。
持って蹴ってキャッチに慣れてくれば、ボールの真下を蹴って真上に蹴り上げることが出来るようになっています。
この要領で、手でキャッチせずに地面にバウンドさせて蹴るというリフティングを続けてみます。
ボールの真下を蹴ったつもりでも、左右にブレることがあるので、左右にボールがブレた時はステップワークで対応します。
ここで、無理な姿勢でボールを蹴ろうとして足を伸ばす子がものすごく多いです。
足を伸ばすなら、素早くステップして体を移動させることが大事です。
蹴る時の体勢を変えないことが大事です。
持って蹴ってキャッチをレベルアップ
ワンバウンドリフティングと平行して、持って蹴ってキャッチリフティングを続けます。
レベルアップするためには、持って蹴って蹴ってというように、2回キックをやることです。
2回連続キックが出来ると3回目も出来るような気になりますが、ここは我慢です。
持って蹴って2回キックをノーミスで30回出来るようになったら、3回キックに挑戦します。
これが出来るようになればボールを思った高さで真上に蹴ることが出来ています。
ボールリフティングの回数が伸びる「魔法のカウント方法」
さて、いよいよノーバウンドでのフリーリフティングに挑戦です。
足だけの連続ノーバウンドリフティングに挑戦しますが、最初はここでミスを連発します。
2回、3回続けばよい方です。4回目の伸ばした足で蹴り上げてミス!なんてこともあるでしょう。
そこでとっておきのカウント方法を取り入れます。
落としてもよいボールリフティング
ボールリフティングと言うと落としてはいけないという固定概念がありますね。
ここでは、「落としてもよい」リフティングをやってみましょう。
ワンバウンドリフティングで落としながら蹴り上げる練習をしているので、連続リフティングが無理!と思ったら諦めて地面に一度落として、次のバウンドを拾ってキックします。
バウンドが小さいと蹴り続けられないので、しっかりボールを蹴り上げることです。
足が届かないな、と思ったら諦めて落下地点に素早く移動してリフティングすること。
これを続けます。
指導者、お父さん、お母さんは時計を持って計ってあげましょう。
1分間で何回蹴ったか。を競います。
上手くいくと100回を超えます。ノーバウンドだけなら未知の領域ですね。この未知の回数がやる気のモトになります。
全部ワンバウンドでもよいのですが、出来るだけノーバウンドを入れるように励まします。
今までの練習では、足が届かない時に足をグイーンと伸ばして蹴って、ボールがはるか彼方に行ってしまいましたが、この方法だと1分間で蹴る回数が減ってしまうので、無駄なことに気づきます。
慣れてくると、スタート地点からあまり移動せずに続けることが出来ます。
ボールリフティングは練習場所を選ぼう
今回、紹介している練習は「バウンド」ありきのリフティング練習なので、地面がぬかるんでいたり、凸凹しているとバウンドが不規則になって効率が悪くなります。
スパイクではなく、トレシューを履いてやるならコンクリートの上でもよいです。
硬い土のグラウンドなら、しっかり均して起きましょう。
自宅周辺で練習するなら、壁や塀のある場所で平らな場所を見つけましょう。ミスして転がっても壁や塀で止まります。
とにかくミスがつきものなので、ボールを拾いに行ってモチベが下がることがないようにすることがポイントです。
窓ガラスがあるところも避けましょうね。車のあるところもダメです。
どこか安全な場所を探して練習しましょう。
ボールリフティングの回数を伸ばす裏技
リフティングが失敗するケースは、ボールが足が届かないところに行ってしまうことです。
ボールを真上に蹴ることに成功していれば、足は届きますし、インステップで蹴ることができます。
しかし、インステップの向きが前方方向に向いていたり、つま先がボールの手前を蹴ってしまうとボールは自分から離れてしまいます。
裏技としては、ボールの真下を蹴る時にボールのちょい向こう側を蹴ることです。
つまり、真上か、自分側にボールが来る状態にします。
回転がかかって真上に上がるという軌道でも構いません。蹴る力がついてくれば意図的にこのキックが出来るようになります。
足の指の付け根付近でボールの向こう側を蹴って回転をかけるリフティングは、一度身につくと安定するものです。
「落としてもいいリフティング」で安定して蹴れるようになったらアドバイスしてください。
インステップのリフティングには2種類ある
リフティングというとチョンチョンリフティングばかり見かけますが、インステップリフティングの目的はボール感覚を養うことなので、2種類のリフティングを身に着けて欲しいですね。
チョンチョンリフティングは、ボールを低くキープするリフティングなので、トラップする感覚を養うことが出来ます。
試合中に浮き球をトラップするシーンは必ず出てきます。胸やふとももでトラップしてもよいですが、インステップのつま先でボールの勢いを殺して、クッションコントロールすることも必要なテクニックです。
正確に自分の足元に置くことが出来るでしょう。
もうひとつのインステップのミートリフティングは、キックの感覚を養う練習です。
足の指の付け根と足の甲を結んだ線でボールをミートすることは、地面に置いたボール、転がっているボールをインステップキックで蹴ることと同じ感覚です。
キックはそんなに思い切り蹴らなくてもボールは飛びます。ぜひリフティングでボール感覚を養ってください。
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